花壇について紹介します。
冬の寒い時期にも、元気な花を咲かせてくれるパンジーとビオラ。春になると、大株になり、次から次に開花して花壇を美しく彩ってくれます。冬から春にかけての花壇には、欠かすことができないお花ですね。
パンジーとビオラの始まりは、野生の三色スミレです。この三色スミレがイギリスで品種改良されて、18世紀の半ばに現在のパンジーが誕生しました。ビオラが誕生したのは、それより少し遅れて19世紀終わり頃です。
パンジーの名前の由来は、「パンセ」という言葉からです。パンセとはフランス語で「思考」という意味で、花が考えている人の顔に似ていたことからその名がつきました。確かにパンジーって、どこか人のお顔に似ていますよね。
パンジーとビオラは分類学上は同一のものとされていますが、一般には、花の大きさで区別されることが多いです。花径が5、6cm以上のものをパンジー、2、3cm以下のものをビオラと呼ぶことが多いようです。その中間くらいの大きさのものは小輪パンジーなどと呼ばれています。ですが最近ではさらに品種改良が進んで両者の性質の差はなくなりつつあります。
パンジーとビオラは、とにかく品種が豊富です。花弁の縁がフリンジしているものもあり、強いフリンジ咲きの「オルキ」は、道行く人が立ち止まるほど華やかで存在感があります。大きさや色も様々です。花径が約12cm以上にもなるパンジーは、一輪だけでもとっても見応えがあります。花色が黒い「スプリングタイムブラック」という品種もあります。
種類や花色によって表情が少しずつ違うパンジーとビオラは、それだけで寄せ植えしても素敵ですね。どれを選ぼうか迷ってしまうと思いますが、花輪を統一して植えたり、パンジーとビオラをバランス良く混植させたりと、あれこれデザインを楽しみながら植えてみてくださいね。
チューリップやクロッカスなどの球根植物は、短期間で生育し、花を咲かせます。球根は基本的に丈夫ですが、開花時期を終えて長い眠りにつく球根を大切に保管して、次の開花時期に備えましょう。
花壇やコンテナなどで、愛らしく咲いていた球根植物は、花が終わると地上部が枯れてきます。ここで注意しておきたいポイントに、開花後の葉の刈り取り時期があります。
翌年花が咲かないとか、花つきが悪いなどといった原因の多くが、花が終わった後にすぐに葉を刈り取ってしまったことによるものです。開花後は、花がらを摘んで結実しないようにしておき、葉が半分以上黄色くなるまでは、葉を刈り取らないようにしましょう。球根を掘り上げるのは、地上部が約3分の1以上枯れてくるのを待ってからにしてくださいね。
掘りあげた球根は、病気に侵されていたり、害虫がついていたりしないか、よくチェックして、健全なものだけを保管しましょう。ペンレート水和剤1000倍液に30分ほどつけて殺菌しておけば安心です。殺菌後は、よく乾燥させておいてくださいね。
乾いたら、ネットや紙袋に入れて、直射日光の当たらない、風通しが良い場所で保管します。春植えの球根は、新聞紙などにくるんでおき、温度変化が少なく、0度以下にならない場所で越冬させてくださいね。色々な球根を保管しておく場合、球根だけでは何の球根か判別しにくいですね。植える時に一目で分かるように、花の種類や花色などを記して添付しておくと便利ですよ。
球根の中には、毎年、掘りあげなくてもよいものがあります。ムスカリや、スノードロップ、オキザリスなどは、堀り上げない方が、花つきが良くなります。花壇やコンテナのスペース的な問題もありますが、余裕があれば、そのままの状態にしておいてくださいね。