切り戻し

植物の梅雨対策

 梅雨の季節は、人間にとってもいやな季節ですが、花壇や鉢植えの植物にとっても辛い季節です。乾燥を好む植物は根腐れを起こしたり、長期間雨に当てたまましたりすると、花が傷んで病害虫が発生しやすくなってしまいます。大切なものだけでも、雨の当たらない場所に取り込んでやることが一番ですが、すべての植物を移動させるのは難しいですよね。雨に当たってしまう植物には、梅雨の被害を抑えるために、十分に対策しておきましょう。

 鉢植えは直接地面に置くと、はねた泥が葉裏の気孔をふさいだり、ナメクジの被害にあったりしてしまいます。台やスノコの上に置くなどして対処しましょう。

 鉢植えなら移動させたり、台の上に置いたりして対処できますが、花壇の植物はどうしたら良いでしょう。泥はねを避けるために、株元にマルチングをしてやります。腐葉土やワラなどを敷いておくと良いです。また、雨の降った次の日に晴れた場合は、軽く水をかけて葉についた泥を落としておくと良いでしょう。

 梅雨の晴れ間の直射光線は案外強力です。水滴をたっぷりと含んだままの株に日が当たってしまうと、株の内部から蒸れて傷んだり、ときには枯れてしまったりすることもあります。このような蒸れによる被害を小さくするために、間引き剪定をしておく必要があります。間引き剪定とは、込み合った枝や茎を間引いて、十分に風が通るようにすることです。花壇で大きく育った株や、寄せ植えされた植物などは特に中心部が蒸れやすく、病虫害の原因にもなります。中心部の茎を間引いて、風通しを良くしてやりましょう。

 梅雨が過ぎ、暑い夏が終わると、植物が元気を取り戻す秋がやってきます。秋に少しでも多くの花を楽しむことができるよう、梅雨時期からしっかりと対策をしておきましょうね。

 

切り戻し

 花壇や鉢植えの花を少しでも長く楽しむためには、日々のお手入れが大切ですね。花を長く、美しく咲かせるために行うことに、花がら摘みがありますが、1本の茎に咲く花には限界があるので、花がら摘みだけでは足りません。開花の最盛期を過ぎた花をもう一度よみがえらせるために、切り戻しを行ってみましょう。切り戻しを行うと、枝は若返り、もう一度美しい花を楽しむことができますよ。草姿が乱れ、花や蕾が少なくなってきたら、思い切って茎ごと切ってしまいましょう。

 ミントやバーベナ、ペチュニアなど、スピーディに生育するものは深く切り詰めます。深くハサミを入れるのはためらってしまいがちですが、思い切りよく切り詰めるほど、よい株になりますよ。一年草の場合は、好みの高さまで切り詰めてください。マーガレットやユリオプスデージーなど、比較的ゆるやかに生育するものは浅めに切り詰めます。

 切り戻しの時期や、切る場所などは、植物によって異なりますので、それぞれの性質をよく調べてから切り戻しを行ってくださいね。

 切り戻しを終えた植物は、月に2回ほど液体肥料を与えます。花壇の植物は難しいですが、鉢植えのものは、強い日差しを避けて半日陰に置いておいた方が安心です。

 切り戻しをしない植物もあるので気をつけてくださいね。シバザクラやマツバギクなどは、枝を広げながらその先端に花をつけていきます。切り戻しを行うと、開花が見られなくなってしまうので、開花中は切り戻すことは避けてくださいね。