花壇について紹介します。
植物には、大きく分けて、1年草と多年草があります。
1年草は、その名の通り、タネをまいてから生長して花が咲き、枯れるまでの期間が1年以内の植物です。代表的なものに、パンジーやビオラがあります。
それに対し、多年草は、タネをまいて株ができると、数年にわたって花が咲く植物のことです。その中でも、多年草には2種類あり、根は生きているのですが、冬に地上部が枯れてしまう種類と、そうでないものとに分けられます。
冬に地上部が枯れてしまう多年草の代表的なものには、スズランやギボウシなどがあります。1年を通して地上部に葉や花を残す多年草は、宿根草とも呼ばれます。
1年草と多年草、それぞれメリット、デメリットがあります。
1年草は花器が短いため、何だか寂しい感じがしますが、寿命が短い1年草は、とっても多くの花をつけてくれます。また、花期が長いことも特徴です。パンジーなどは、寒い地域を除いて、秋から春にかけて、半年近く咲き続けてくれます。価格も多年草に比べて安く、気軽に購入することができます。
多年草は、毎年大切にお付き合いできる植物で、お得なイメージですが、何年も同じ場所に植えておくと、株がとっても大きくなります。他の植物との混同が難しくなってくるので、花壇などに地植えする時には、株の成長を考慮して、十分にスペースを取って植えた方が良いですね。また、大きくなった株を掘り起こすのは大変ですが、3、4年に1回は、株分けをする必要があります。株が大きくなりすぎると、新芽が成長しにくくなって、花もつきにくくなってしまいます。
多年草の苗は、成長が遅く、生産に時間がかかるために比較的価格が高いものが多いです。ですが、上手に育てれば、植えっぱなしで毎年楽しむことができるので、やはりお得ですよね。
1年を通してバランスのとれた花壇作りをするには、1年草と多年草をうまく調和させることが大切です。植え替えの手間が省けるからといって、花壇に多年草ばかりだと、華やかさに欠けた花壇になってしまいます。1年草と多年草、また樹木なども上手に組み合わせて、植物の特性を楽しむことができる花壇作りをしてみてくださいね。
花壇には色々な種類があります。
背の低い植物を使って、じゅうたんを敷き詰めたようにいっぱいに植え込んでいく毛氈花壇(もうせんかだん)や、整形式庭園によく見られる、幾何学模様などでデザインされた花壇、沈床花壇(ちんしょうかだん)などもありますが、お庭の花壇としては、ボーダー花壇、寄せ植え花壇、模様花壇が適していて、作りやすいと思います。
ボーダー花壇は、建物や塀などに沿って作る花壇です。ボーダー花壇を作る時は、手間に背の低い植物、奥に行くほど順に背の高いものといった配置で植物を植えていきます。
寄せ植え花壇は、お庭の中央など、壁に沿っていない部分に、円形や四角形などを形作って植物を植え込む花壇です。鉢植えに寄せ植えを作るように植物を植えていきます。円形花壇の場合は、中央に背の高い植物、縁にいくにしたがって背の低い植物を植えていくと、立体的で見栄えが良いです。
模様花壇は背の低い植物を使い、花や葉の色で模様を描くように植え込んだ花壇です。家庭の花壇では、単純な模様にして、株の姿が乱れにくい植物を使い、線を描くように植えつけると良いです。
植物の色や草丈のほかに、花壇に植える植物を選ぶ時の大切なポイントに、植物の開花期があります。開花期が同じ時期の植物ばかりですと、開花が一時期に集中して、後は寂しい花壇になってしまいますね。
開花期のことを考えながら、球根類や、一年草、宿根草など、色々な種類の植物を組み合わせると、1年を通して楽しめる花壇になりますね。